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埼玉県公立高校入試の出題方針と分析
埼玉新聞 2009年2月27日掲載記事より

出題方針 1. 中学校指導要領に示されている基礎的・基本的内容の出題
2. 学力を十分に把握できるよう記述による回答
3. 思考力、判断力、表現力を測れるような出題

国 語

北村俊典 講師 総 評
記述力が問われる

 大問1は小説の読解。問1は空欄直前の「雑誌」という語と傍線部の「もしそうだとしたら」という指示語が手掛かり。問3は老人の「俊敏」な様子を押さえた上で、傍線部直前の「ここで長い時間を過ごしてきた」の「ここ」を「暗室」と置き換えられるかが成否の分かれ目になる。問5は空欄直前の「今日学校で、」につながるように、進路を決断したことから書き出し、それが老人の「おかげ」だったことが分かるようにまとめればよい。

 大問4は論説文。問1は空欄前後の言葉を頼りに2段落の適当な個所を利用して書くこと。問2は「第二の実験」でのナミハダニへのリママメの葉っぱの反応が5段落で述べられていることを見抜ければ書ける。問3は「ハナバチの成虫」に「必要」なものを答える問題。まず10段落の「多様な植物があってこそ成虫はその生涯と役割をまっとうできる」に注目できたかがカギになる。加えて「開花期」の語を「多様な植物」と結び付ける着眼点がほしい。

 大問5は古文。会話文は「曰はく」と「と」が目印になる。大問6は「時間を守ることの大切さ」についての作文。「時間」に対する意見を、自分の体験などを踏まえて書くことが求められている。

  全体的に読解力だけでなく記述力も要求される問題であった。空欄前後の言葉と解答を対応させるためのまとめ方に工夫が必要で、苦労した受験生も多いと思われる。


社 会

平澤英樹 講師 総 評
記述問題で差がつく

 選択問題が減少し、記述問題が例年より大幅に増えたことにより、全問題の50%が記述問題となった。

 また、昨年行われた「洞爺湖サミット」・「オリンピック・パラリンピック」や「世界遺産」・「地球温暖化」など時事に関連した出題が多いことも本年度入試の特徴。

  地理分野の大問1、2では、例年通り、表やグラフ、地図を読み取る問題が出題された。世界地理では「洞爺湖サミット」で話し合われた主な議題を基に出題。日本地理では新聞の記事から宮崎・愛媛・埼玉県の特色を比較する出題であった。

  歴史分野の大問3、4は、古代から現代まで幅広く出題されている。例年になく基本を問う問題が多い。ただ大問4の問2は、日本の産業革命は日清戦争前に、紡績・製糸などの軽工業から始まったという歴史的背景を把握しているかがカギになった。普段から歴史の用語だけを覚えるのではなく、その背景や原因もとらえる必要がある。

  公民分野大問5、6では、政治・経済・国際社会・環境など広範囲に出題され、基本的な知識が求められた。

 以上を踏まえると、日ごろから「新聞」や「テレビのニュース」に関心を持つとともに、地図や資料、写真などにも目を通す必要がある。来年度の受験生は、「WBC」や「裁判員制度」「総選挙」「平城京遷都1300年」「宇宙開発」などにも注目しておく必要があるだろう。


数 学

東公平 講師 総 評
基本定理が重要

 解答数が20個で、すべて1問が2点であり、例年とよく似た出題内容である。

  大問1は11問ある。(1)から(5)までが基本的な計算問題、(6)から(9)が関数、図形、確率などの問題、(10)が方程式の応用問題で2問ある。(10)は原価、売り上げなどの身近な題材に割合の内容を含ませたもので、誘導形式になっている。方程式の解と答えが異なるので、問題文をよく読んで答える。

  大問2は4つの小問からなり、規則性の問題、図形、1次関数、作図という内容である。(3)の1次関数の問題は、垂直に交わる2直線の傾きの積がマイナス1になることを利用すると短時間で解ける。他の3問は比較的平易である。

  大問3は放物線と正方形を組み合わせた問題で、埼玉県ではよく出題される『座標を文字で表す』という考え方を用いる。たとえば点Aのx座標をtとし、点Pの座標をtの式で表すことによって解くことができる。

  大問4は、今年も縦と横の比が1:√2の長方形の紙を折る問題が出された。(1)の証明は折り返しの基本である等しい角ができることを利用する。(2)と(3)は元の長方形の辺の長さが縦と横の比しか与えられていないので、例えば、縦を4cm、横を4√2cmとし、BE=EM=xcmとして、三角形AEMに三平方の定理を適用することから始める。

  大問4の2問が難しいが、ほかは比較的解きやすい問題なので、平均点は例年より少し高いと思われる。


理 科

国枝和真 講師 総 評
考察力が大切

 中学校の授業で扱う実験、観察から出題されている。文章記述問題が難しくなったが、その他の問題は平易である。

  大問1は天気の問題。問1は図表から寒冷前線が通過することを読み取り、風向きが北寄りに変わることを覚えているかが問われた。問3は西にある高気圧が、日本の上空に来ることを予測し、晴れることに気付けばよい。

  大問2は植物の問題。ホウセンカの特徴や、つくりについての知識が必要である。

  大問3は生物同士のつながりの問題。生産者、消費者、分解者の役割について整理されていればできた。

  大問4は物質が溶ける様子の問題。問2は作図で、ビーカーの壁がろうとの足の長い方についているかがポイントである。問3はグラフから温度差による溶ける量の違いを調べ、最も大きいものを選ぶ。

  大問5は化合の問題。問1は銅と酸化銅の質量比をグラフから読み取る。問2は実験の基礎的な注意事項である。

  大問6は音の問題。問1は実験から音が進んだ距離とかかった時間を求めればできた。問2は鉄琴の中央より4つ左の音板をたたくと振動数が少なくなる。ここから右をたたくと多くなることを推測できれば書けた。

  大問7は電流の問題。問3は同じ抵抗なので電圧が0.25倍になると電流も0.25倍になることに気付けばできた。

  文章記述問題の難易度が上がり、知識の暗記だけではなく、それを用いて考え、記述できる力を養う必要がある。


英 語

松村宏俊 講師 総 評
英作文の成否がカギ

 全体的な出題傾向は例年と大きくは変わらないが、難易度が上がっている。

  大問1のリスニングは今年も13問であり、形式も変わらない。よって、対策を行なっていた生徒には得点源となったであろう。

  大問2は対話文形式であるが、例年と比較すると、文章・設問ともに多少難しい。大問2の平均点は例年より若干低くなるだろう。

  大問3は生活様式、主に睡眠に関する長文読解。使用されている文法が平易であることと、出題形式も例年と変更がないことなどから、過去問題を解いていれば、それほど難しくは感じないだろう。

  大問4は英作文。配点は7点となっている。問1は三つの日本文の内容を二つの英文で書くという、昨年度から導入された形式。難易度はかなり高い。分詞を上手に活用できたかがカギ。問2は「e-mail」にて、相手の相談内容に対して返答するという設定。返答内容に関して、その理由・具体例などを五文以上の英文で書く問題。相談に対する返答内容も各自で考える必要があり、ここ数年で最も難しいと言える。

  リスニングが全体の配点の約三割、英作文が約二割である。試験問題の半分がリスニングと英作文で占められ、聴くことと書くことも重視される。特に今年の英作文に対する難易度はかなり高い。ほかにも難易度が高い設問が見受けられることから、平均点は下がると予想される。







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